【初心者向け】シャッタースピードを解説!明るさの目安を知り、被写体の動きをコントロール!動画撮影時の設定も合わせて解説!
2022.08.22 文章修正、リンク補正
こんにちは。株式会社ラズスタジオ、カメラマンの綾です!
今回のブログは、一眼レフ初心者の方に向けた、カメラの露出設定の一つ「シャッタースピード」についての解説記事になります。
シャッタースピードがもたらす写真への影響や、できること、は動画撮影時の設定のお話などを記載しております。
是非、シャッタースピードへの理解への参考になれば幸いです。
目次
1.シャッタースピードとは
シャッタースピードとは、カメラが光を取り込む時間のことを示します。
別名、露出時間とも言います。
カメラの中には「シャッター幕」というものがあります。
このシャッター幕は普段閉じられています。シャッターボタンを押すと、目では確認できないほどの速さで開閉します。この開閉している間のデジタルカメラのセンサーが光を感知する時間を「シャッタースピード」といいます。
2シャッタースピードの単位、読み方
2-1一番遅い時間は30秒、早い時間は1/8000秒
シャッタースピードの単位は”秒”で表されます。
また、シャッター“スピード”、なので、「速い」「遅い」と表現されます。
シャッタースピードの変わり方は下記通り。
上記表で表すと一番遅いシャッタースピードは30秒。これを“30”“と表記し、1秒を”1““となります。1秒より早いシャッタースピードは、2.5”→1/8→1/15→1/30→1/60→1/125→1/250・・・1/8000と表されていきます。
1秒より早いシャッタースピードの読み方は1/8→“はちぶんのいち秒“と呼びます。
分数は整数より早い時間(シャッタースピード)です。
3.シャッタースピードの設定でできること、注意すること
3-1明るさ(露出)の調整ができます
光を取り込む時間に関係することにより、明るさの調整が可能です。
- 遅い設定だと、光を取り込む時間が長くなり、全体的に明るい写真になります。
- 速い設定だと、光を取り込む時間が短くなり、全体的に暗い写真になります。
(↑ISO、F値同一、シャッタースピード1/80で撮影)
(↑ISO、F値同一、シャッタースピード1/200で撮影)
明るさ(露出)の設定はF値(絞り)でも行えることから、セットで考えることが基本となります。
F値についてはこちらの記事より
https://www.luzzstudio.com/blur-background/
3-2被写体の動き(=躍動感)をコントロールすることができます
シャッターを開ける時間により、写真に仕上がる被写体の動きをコントロールすることができます。
- 速いシャッタースピード撮影すると動く被写体の一瞬をとらえます。
- 遅いシャッタースピードで撮影すると動く被写体の流れるような動きをとらえます。
(↑シャッタースピード1/125で撮影)
(↑シャッタースピード8秒で撮影)
このように、被写体の動きに合わせてシャッタースピードを設定することで仕上がりに差が出てきます。
これはシャッタースピードでしかできない設定です。
3-3 “ブレ”との関係に要注意!
シャッターが開いている間に、なんらかの理由でカメラが動くとブレが発生します。
シャッタースピードが遅いと、その分シャッターが開いている時間が長くなることで、少しでもカメラが動くだけでブレが発生します
このブレを体一つで防ぐには、熟練のプロでも難しいです。
そのためシャッタースピードを遅くする撮影(黒ホリなどの暗い室内や夜景撮影や躍動感ある写真を撮影したいとき)を行う際は、三脚を使用するなどの方法をとる場合があります。
4.シャッタースピードの目安~明るさ編~
4-1撮影環境の明るさによってかえましょう
シャッタースピードの明るさの目安は撮影環境の明るさを目安にしましょう。
- 黒ホリなどの暗い室内や夜景撮影では、シャッタースピードを遅くし、取り込む光の量を増やします。速くしてしまうと、カメラに取り込まれる光が少ないため、真っ黒な写真(ローキー)となり、被写体が映らなくなります。
- 白ホリなどの明るい室内や日中撮影では、シャッタースピードを速くし、取り込む光の長を減らします。遅くしてしまうと、逆に光を多く取り込みすぎてしまい、白飛びする写真(ハイキー写真)になり、こちらも被写体が映らなくなります。
4-2設定目安
- 撮影環境が暗い場合→シャッタースピードを遅くする
- 撮影場所が明るい場合→シャッタースピードを速くする
※使用するレンズによって異なります※
一般的に1/250~1/125を起点に考える人が多いです。
テスト撮影をし、
- 暗かったらシャッタースピードを遅くする。
- 明るかったらシャッタースピードを速くする。
といったイメージです。
5.シャッタースピードの目安~動き編~
5-1被写体の動きをどう捉えたいかによってかえましょう
シャッタースピードの動きの目安は動く被写体をどう捉えたいか?を目安にしましょう。
先ほどの、例で説明をすると、道路を走る車を捉えたいのか?それとも、車が走る躍動感を捉えたいのか?によって設定を変えます。
下記は同じ場所、同じ露出設定でシャッタースピードを変えた写真です。
5-2設定目安
- 動く被写体の躍動感を捉えたい(動いているそのものを捉えたいときなど)→シャッタースピードを遅くする
- 動く被写体の一瞬を捉えたい(ダンス撮影や子供の運動会など)→シャッタースピードを速くする
こちらも明るさ同様に使用するレンズによって異なりますが、一般的に1/250~1/125を起点に考える人が多いです。
テスト撮影をし、
- より躍動感が欲しければ、シャッタースピードを遅くする。
- より一瞬をとらえたいのであれば、シャッタースピードを速くする。
といったイメージです
6.動画撮影撮影時のシャッタースピードは?
ここからは動画撮影におけるシャッタースピードのお話になります。
動画撮影の際のシャッタースピードは、フレームレートと撮影場所をベースに設定します。
6-1.フレームレートとは
動画というのは、連続した写真を何枚も重ねることで、動いているように見せています。わかりやすい例はパラパラ漫画ではないでしょうか。
その動画における1秒を、何枚の写真で作り出すか。これによって、動画の滑らかさが変わってきます。
この1秒に表示させるカット数を設定するのが、フレームレートといいます。単位はfpsと表示されます
日本では主に24fps、30fps、60fpsが主流です。
- 24fps(1秒間に24カットの写真を使う)…主に映画に使用。
- 30fps(1秒間に30カットの写真を使う)…国内のテレビ、DVDに使用。YouTubeもほとんどがこの設定。
- 60fps(1秒間に60カットの写真を使う)…30fpsよりなめらかな映像に。スポーツ撮影などに使われる
数字が大きくなるほどに、動きを滑らかに撮影することができますが、その分データ量が多くなります。
そのため、特にこだわりが無く、YouTubeなどの撮影の場合は30fpsがおすすめです。
6-2フレームレートにおける適切なシャッタースピード
動画におけるシャッタースピードの考え方は、1秒間に連射撮影するカット数になります。
例えば、
- 1/60→1秒間に60カット撮影する
- 1/30→1秒間に30カット撮影する
- 1”→1秒間に1カット撮影する
という考え方になります。
目安としては、設定したフレームレートの2倍で割ったシャッタースピードといわれています。
フレームレートが
- 30fpsの場合→シャッタースピードは1/60秒
- 60fpsの場合→シャッタースピードは1/120秒
が目安です。
環境や撮影したい被写体動きの表現方法に合わせてシャッタースピードを調整し撮影します。シャッタースピードを速くすれば、それだけ一瞬一瞬を切り取った映像になります。ダンスやゴルフなど、後から細かな動きを確認したい場合におすすめです。
シャッタースピードを速くするのに上限はありません。
しかしここにデメリットがあります。シャッタースピードを速くしすぎると、”ブレ”の部分が少なくなってしまい、不自然な映像に仕上がります。
静止画撮影では”ブレ”はご法度とされているのに、動画ではほどよく必要、ということです。
また、遅くする場合には30fpsであれば1/30秒、60fpsであれば1/60秒がシャッタースピードの下限になります。
例えば、30fpsに対して、シャッタースピード1/5で撮影をしてしまうと、1秒間に5カットしか撮影できず、1秒間に表示されるカット数が不足、動画として成立できなくなります。
6-3.撮影地域に基づいてシャッタースピードを変更する~フリッカーを防ぐ~
もう1つの影響してくる要因が撮影する地域です。もっと具体的にお伝えすると、蛍光灯下での撮影では、関東と関西で最適なシャッタースピードの設定が異なります。
これは、蛍光灯の下で撮影する際に発生する「フリッカー」を防ぐことが目的です。
6-4.フリッカーとは
白熱でもLEDでも蛍光灯と呼ばれる照明は1秒間に数十回以上の回数で点滅しています。
その点滅はあまりにも早いため、私たちの目には見ることができずに、「常に光っている」と、目が錯覚を起こしているのです。
その点滅回数は地域の周波数によって決まります。
関東なら50Hz、関西なら60Hzの周波数の電気が流れており、その周波数に合わせて蛍光灯は点滅をしています。
点滅回数は地域の周波数の2倍となります。関東なら1秒間に100回、関西ならば1秒間に120回となります。
この蛍光灯の点滅とシャッターを切るタイミングにズレが生じると、連続して撮影した静止画の中に明るい画像と暗い画像が混ざり、動画再生時に色や明るさが異なってしまいます。この現象を「フリッカー」と呼びます。
動画は静止画の集合体のため、このフリッカー現象はスチール撮影よりも影響が大きいため、防ぐことが必要です。
6-5フリッカー現象を防ぐための適切なシャッタースピード
フリッカーを防ぐためには、蛍光灯の点滅回数(関東なら1秒間に100回、関西ならば1秒間に120回)とシャッターを切るタイミングを一致させるのが目安となります。
そのため
- 関東ならばシャッタースピードを1/100秒
- 関西ならばシャッタスピードを1/120秒
を目安に設定をすればOK。
また、シャッターを切る回数が蛍光灯の点滅回数の倍数であればズレは起きません。
- 関東の場合→1/50秒や1/200秒
- 関西の場合→1/60秒や1/30秒
でもOKということになります。室内撮影の場合はこの周波数に基づき設定してください。
6-6最適なシャッタースピードの設定
基本はフレームレートをベースに設定し、基本的に撮影中に変更することはほぼありません。
- 30fpsの撮影→下限1/30、目安は1/60。
しかし、室内撮影等で、蛍光灯の下で撮影する場合はフリッカーを防ぐことを優先して設定をしてください。
- 関東で室内で動画撮影をする場合→下限1/50、1/100や1/250など
- 関西で室内で動画撮影をする場合→下限1/30、1/60や1/120など
7.まとめ
シャッタースピードは、
・カメラが光を取り込む時間のこと
・「明るさ(露出)の調整」と「動きの調整」ができる
・シャッタースピードが遅い→「写真が明るくなる。しかし動いているものは残像となる」
・シャッタースピードが早い→「動いているものの一瞬をとらえる。しかし写真が暗くなる」
・シャッタースピードが遅い撮影の場合は三脚が必要です
・動画撮影の際は、フレームレートと地域ごとに異なる周波数(フリッカーを防ぐため)をもとに設定する
以上が、シャッタースピードの解説となります。
今回のブログを通して、シャッタースピードの理解への第一歩となり、撮影の悩みが解決したり、幅が広がるきっかけになれば、とても嬉しいです!!
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それでは、今回の記事はここまで。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!