【初心者向け】商品撮影にて「影」を創るライティング方法を解説
2022年8月31日更新
株式会社ラズスタジオのカメラマンの綾です。
今回のブログでは、初心者カメラマン向けに商品撮影におけるくっきりとした「影」をだすライティング方法を解説してまいります!
目次
1.「影」を”創る”撮影方法
商品撮影において、イメージカットの撮影ではこのような”影”をくっきりと見せる撮影方法があります。影を印象付けることで写真全体に立体感が高まり、オシャレな印象を与えます!
撮影現場においてこのような影をくっきりと見せる場合、簡単には自然光か、LEDライトかストロボを使用します。
撮影現場では当日の天気に左右されますし、天気を操ることはできませんし、商品撮影になるとクライアントからの納期もスケジュールも決まっていることがほとんどかと思います。
照明を使用し、影を操ることができれば天候に左右されずに思い描いているイメージ通りの撮影が可能になりますので、是非この記事を参考にしてみてください。
2.影を見る場合、定常光ライトを使用
影を主体にした撮影の場合、影を観察し、理想の影を作り上げることが必要です。
ストロボなどの瞬間光でも撮影は可能ですが、シャッターを切る前にどのような影が出来上がるのかを確認することはできません。
今回は、定常光ライト(LEDライト)を使用しています。
定常光はスイッチをつければ常に光続ける照明のため、シャッターを切る前に影を確認することが可能です。そのため、ある程度の影の出方を確認することが可能となります。
ライトにもHMIやタングステンなどの様々な種類がありますが、今回は簡単に使用でき、手に入れやすいLEDライトを使用しました。
3.影を作る撮影方法
3-1.撮影環境のセッティング
今回の撮影では、まず下記セッティングで撮影を行いました。
商品撮影のため、カメラは三脚を使用し、固定しています。
物撮りは基本的に静物撮影がメインとなりますので、三脚を固定しアングルを決定することで迷いなく、商品に集中することが可能となりスムーズに撮影を行うことができます。
3-1-1.使用したライティング機材のご紹介
メイン照明→GODOX SL-150W
比較的安価なSL-150Wをメイン照明として使用しました。
スチール撮影だけでなく、ムービー撮影においても十分ともいえる高出力と高発色を兼ね揃えた定常光ライトです。LEDなので発熱も少なく安心して使用可能です。
ディフィーザー→バーンドア
照明SL-150Wに装着して使用しました。
4辺のドアで光の方向性を調整することが可能です。くっきりとした影を作るため、バーンドアを使用しました。
背景→背景紙(ホワイト)
背景紙(ホワイト)を設置しました。
3-2.撮影開始
商品の配置を幾度も調整し、撮影を行いました。
カメラ設定→シャッタースピード:1/25、F値:18、ISO:320、焦点距離70㎜
商品全体と影がくっきりと映るようにしました。しかし、1灯のため背景の暗さが目につきました。
そこで、背景を明るくするための照明を追加しました!
3-3.背景を明るくする場合したいため、LEDかストロボ背景に1灯追加
背景を明るくするために、モノブロックストロボを1灯追加しました。
定常光ライトで影をしっかりと作り上げたこともあり、背景を照らす為の照明の光が、商品の影に影響しないようにカポックで仕切り(ハレ切り)を行いました。
3-3-1.使用したライティング機材のご紹介
背景用照明→GODOX SK400Ⅱ
照明ディフィーザー→ソフトボックス(90㎝x60㎝)
モノブロックストロボにはソフトボックス(グリッドなし)を装着しました。
カポック
以上のセッティングで撮影された写真がコチラ!
背景が明るくなりました。
今回は初心者向け記事のため、これで基本の照明設定として微調整していきます。
3-4.【ポイント】照明と被写体の位置・高さ・距離で影の印象は変わる
照明の位置、高さ、被写体との距離で影の出方が変わることにあります。
その変化について、一例として、照明の高さを変えた3枚の写真をご紹介します。
3-4-1.被写体に向かって45度の位置と高さで撮影
3-4-2.45度の位置はそのまま、照明の高さを低くする
照明の高さを低くすることで、影の長さが伸びました。
3-4-2.45度の位置はそのまま、照明の高さを高くする
照明の高さを高くすることで、影が短くなりました。
照明の高さを変えることで影の距離が変わる例です。
この距離の変化については。普段私たちが目にする太陽の動きと影の動きを同じ考え方です。
例えば、朝の日の出のときにできる影は長く、時間の経過とともに影がどんどん短くなり、太陽が真上にあるときは、影はほぼなくなります。
3-4-3.高さ以外の、位置や距離について
位置を変化させることで、影の角度が変わります。
距離を変化させれば、全体の明るさと影の濃さが変わります。
4.実際には、影を作り上げる撮影は観察力と手間と時間が鍵
クライアントからの依頼や、自分の思い描いている理想の1枚に近づけるためには、まずは1灯からそして2灯へと練習し、いずれは何灯も扱えるようになっていき、一周回ってシンプルに1灯などになっていきます。(被写体や創作イメージによる)
いろんな撮影の仕方がありますのでぜひ練習してみてください。
5.まとめ
まずは、簡単に影を創る撮影は、1.定常光を使って影を確認する、2.撮影環境を整える、3.被写体や照明の微調整という大きな3つのポイントを押さえれば撮影を行うことが可能です!
是非、このブログを参考に撮影に挑戦するきっかけになれば幸いです。
今回使用したスタジオ:LUZZSTUDIO(ラズスタジオ)大阪市中央区
大阪は本町の川沿いにある、レンタルスタジオです。
- 最大天井高3.8m、最大梁下高3.4mの解放感あふれる空間
- 置くだけで映える白コンクリート床、照明がいらない、自然光溢れる白い部屋
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それでは、今回の記事はここまで。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!