【ストロボ初心者向け解説】バウンス撮影について-メリットやコツを撮影事例でご紹介-
株式会社ラズスタジオです。
今回のブログは、バウンス撮影について解説します。
バウンス撮影とは、ストロボの光を天井や壁などの白く明るい面に反射させ、被写体に当てるライティング方法です。
ストロボの光を直接被写体に当てる「直射」と比べて、光が拡散して柔らかな光を作り出すことが特徴です。
この、バウンス撮影についての仕組みやメリットや方法、コツや注意点をわかりやすく解説してまいります。
1.バウンス撮影の実例紹介
まず初めに、下の写真は、ストロボの光を直接、被写体の靴に向けて撮影した写真です。
このシューズ、実際のカラーは黒ですが、グレーの色に見えてしまっています。
また、コントラストが強い仕上がりのため、不自然な佇まいの仕上がりになっています。
次に、バウンス撮影を行って撮影したお写真が下の写真です。
1枚目の画像と比べると、黒の色合いが分かりやすくなったほか、
- 光のコントラストが弱まり、自然な印象に。
- 被写体の影が柔らかくなり、立体感のある写真に
このように、ストロボの光を直接被写体に当てると、被写体と背景に強いコントラストやハイキーが生じますが、
バウンス撮影では、反射面が光を拡散するため、コントラストが弱まり、柔らかい光で撮影できるテクニックです。
今回は、初心者向けにまずはストロボ1灯だけの、バウンス撮影のメリットから方法、コツ、そして注意点を解説してまいります。
仕組みを理解し、環境さえ整えば、室内屋外問わず、いざという時の撮影にも柔軟に対応することができ、写真の表現の幅を広げることができます。
2.バウンス撮影のメリットについて
2-1.天井や壁など、光を当てる環境があれば誰でも使えるテクニック
バウンス撮影の最大のメリットとして、ストロボと反射できる壁や天井などさえあれば、誰でも手軽に行うことができる点です。
被写体にあたる光を柔らかくできるので、自然な雰囲気を演出したい場合に有効なライティング方法です。
また、アンブレラやソフトボックスなどのモディファイアがなくても、
手軽に光をコントロールできるので、初心者にもおすすめのテクニックです。
2-2.光の表現方法を増やすことができる
バウンス撮影では、反射面が光を拡散するため、コントラストが弱まり、柔らかい光で撮影できます。
しかも、壁や天井に反射させるだけですから、手順としてはいとも簡単にストロボの光の表現方法を増やすことができるのです。
直接ストロボを被写体に向けて発光して撮影を行うと、
光が強すぎることでコントラストが強くなったり、影が濃く出やすくなることにお悩みの方にとっては
たったこれだけで、ストロボを使った表現方法のレパートリーを増やすことができてしまうのです。
3.バウンス撮影の方法について
バウンス撮影の方法として代表的な「天井バウンス」と「壁バウンス」の2つの方法をご紹介します。
3-1.天井バウンス(天バン)
ストロボの光を天井へ照射し、天井からの反射光を活用するライティングテクニックです。天井バウンス、略して「天バン」と呼ばれることもあります。
天井バウンスを行うことで、ストロボの光を広範囲に広げることができる上に、
ストロボを被写体に直射するのに比べ、全体を柔らかい光で包み込むような撮影を行うことができます。
天井バウンスのメリットは、天井から降り注ぐ広範囲の光のため、全体を均等に明るくする自然な光を作り出せます。
3-2.壁バウンス(壁バン)
ストロボの光を被写体の横や後ろなどにある近くの壁へ照射し、壁からの反射光を活用するライティングテクニックです。
天バン同様に「壁バン」と呼ばれることもあります。
壁バウンスを行うことで、被写体の真横や真後からの水平に差し込む光を再現できることから、自然光に近い質感の光を再現できます。
こちらはシューズの後ろの壁バウンスを行った場合です。
逆光で光があたっており、この場合壁と被写体が近いことから、1枚目と同様に直接光を当てているような、強いバウンスが跳ね返ってきています。しかし、手前は光があたっておりません。
3-3.天井や壁以外にもカポックやレフ板を使用する方法もあります
天井や壁以外にも、レフ板などを天井や壁に見立てて撮影を行うことができます。
設置したレフ板に向けて発光することで、バウンスも可能です。
4.バウンス撮影のコツについて
4-1.反射した光が届く場所を見つける
バウンス撮影をより成功させるコツは、反射した光が被写体にしっかりと届くように、ストロボの光の方向と光量の調整をすることがポイントです。
それ以外にも、ストロボの光の角度も関係します。その角度について解説します。
4-1-2.ストロボの角度によって届く場所が変わる
ストロボの照射角度によって、光の届く場所が変わります。
被写体に光を届ける場合はカメラと被写体の距離の中間あたりを基本として設定を行うとスムーズです。
反対に、下のイラストのように、真上に向かってストロボを照射すると、光はほぼ真下に反射されてしまいます。
十分な光が被写体に届かなくなるのでご注意ください。下記のようになると暗く写るということです。
5.バウンス撮影の注意点
5-1.反射させる天井や壁の色に注意する(色かぶり)
バウンス撮影において、反射させる天井や壁の色に注意することもポイントです。
白色などであれば問題なく白い光を届けることができます。
しかし、反射させる天井や壁がカラーだと、その天井や壁のカラーを反射光に含んでしまいます。
下記の例の場合、天井や壁が赤色だと、ストロボの光が白色でも、反射光には赤色が含まれてしまいます。
この現象を”色かぶり”と呼びます。
光の中の赤の要素が強くなり、被写体にかぶる光がもとのストロボの光よりも赤色を帯びます。
このように色味のある天井や壁のバウンス撮影の際は、カラー調整などを行う必要が発生します。
5-2.天井や壁が被写体から遠すぎると、バウンスした光が届かなくなる
被写体に対して天井が高かったり、壁が遠かったりするなど、天井や壁が被写体から遠すぎると、
ストロボからの光が十分に天井に行き届かなかったり、届いたとしても、反射した光はより弱い光となるため、
被写体に光が届かなくなります。
天バンでストロボの光量を強めても解決できない場合は壁バンなど別の場合を考えたほうがよいでしょう。
また、フル発光撮影だと、ストロボ本体への負荷が重なったり、電池の消耗を早めてしまうなどの問題も発生しやすいです。
6.まとめ
今回のブログは初心者向けに1灯のストロボがあれば簡単に行えるバウンス撮影についてご紹介しました。
バウンス撮影はストロボと天井もしくは壁があればだれでも簡単に行えるライティングテクニックです。
方法やポイントをしっかりと押さえれば、より様々な表現の幅を広げることもできます。
バウンス撮影はプロのカメラマンでも活用するテクニックの一つですので、
ライティングテクニックを徐々に向上するために覚えておいて損はありません。是非このブログを参考に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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それでは、今回の記事はここまで。
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